※1. 本稿は、ある程度WorldEditを使用したことがある人向けに説明しています。
※2. 解説では枠がついていますが、このコマンドは「World Edit CUI」というMODによるものです。
第2回:基本コマンド拡張
Fast Async World Edit(FAWE)のコマンド解説第2回です。
第2回以降は、FAWEの新しいコマンドや、機能が増えたコマンドについて解説します。ただし、一部の有用そうなコマンドに限る。
さて、今回は基本コマンド(//setや//replace)の中で、有用そうな追加コマンドとかを紹介します。とはいえ、基本コマンドもおぼつかない人も多いと思いますので、既存のWorldEditのコマンドも一部再紹介します。
以降、表記は以下の通り。
- [共通] WorldEditおよびFAWE共通の機能です。
- [FAWE] WorldEditにない機能です。
//set
おなじみ、指定した範囲を一括で指定したブロックに置換するコマンドです。最も基礎的なコマンドの一つですが、実は意外と奥が深いコマンドです。上に「ブロックパターン」と書いてあるとおり、様々な指定の仕方ができます。さらに、FAWEでは、ここで指定可能なブロックのパターンがちょっと増えています。
■ ブロックを単体で指定する[共通]
ブロックを単体で指定すると、指定した範囲を一色で塗りたくります。一番よく使うコマンドです。
//set stone
→指定範囲を石ブロックで塗りつぶす
//set 35:1
→指定範囲を羊毛(35番)のダメージ値1(橙色の羊毛)で塗る
■ ブロックをブロックを複数指定する[共通]
//set 割合1%ブロック1,割合2%ブロック2,・・・
ブロックを複数指定すると、指定した範囲を複数のブロックでランダムに混ぜ込むように塗りつぶします。ブロックの前に%を指定すると、各ブロックの配置割合を決めることができます。近い色を混ぜ込むとブロックにリアリティが出ますし、離れた色を混ぜ込むとカオス感が出ます。割合を何も指定しないとそれぞれ同じ割合で塗りつぶします。
例:
//set sone,wood
→石と木を混ぜ込んで塗りつぶします。
//set 30%1,70%5
→石を30%、木を70%の割合で混ぜ込んで塗りつぶします。
■ コピーしたブロックをブラシとして塗りつぶす[共通]
//set #copy
事前にコピーコマンド(//copy)でコピーしたブロックを繰り返しペーストするように塗りつぶします。例えば下の例では、右のcopy下ブロックを左で//set #copyで塗りつぶしています。
■ 線形3D(Linear 3D)塗りつぶし[FAWE]
//set #l3d[ブロック1,ブロック2,・・・]
3D線形ブラシです。指定したブロックを順番に繰り返し配置するブラシです。ブロックを2つ指定するとチェッカー模様になったりして、床模様とかに使うと非常に使い勝手の良いブラシです。
例:
//set #l3d[stone,wood,dirt]
→石、木、土を交互に配置して塗りつぶします。
■ 線形2D(Linear 2D)塗りつぶし[FAWE]
//set #l2d[ブロック1,ブロック2,・・・]
先程の2D版です。縦方向(Y軸)にはパターンを繰り返しません。壁紙に良いかも。
例:
//set #l2d[159:0,159:8]
→テラコッタ(白)とテラコッタ(薄い灰色)で線形塗りつぶし。
シンプレックスノイズ[FAWE]
//set #simplex[範囲][ブロック1,ブロック2,・・・]
シンプレックスノイズと呼ばれるノイズの生成方式により、ブロックパターンを生成して塗りつぶします。今までのブロック複数指定のように1ブロック単位でランダムになるのではなく、ある程度まとまりを持って塗りつぶされますので、よりテクスチャっぽい見た目の模様が作れます。
例:
//set #simplex[5][stone,wood,dirt]
→石、木、土によるシンプレックスノイズで塗りつぶします。
(おまけ)特殊な使い方[FAWE]
FAWEのsetコマンドは非同期で実行する都合上、「周辺のブロックを更新しない」という独特の特徴があります。なので、下のような画像のこともできてしまいます。この状態だと、関係あるブロックを破壊するまではこの状態を維持します。
やり方は、この植木鉢と梯子が張り付いた状態で木ブロックを//set 0するとできます。(ただし、一部にできないという報告もあるので「まぁそんなこともできるんだな」くらいに考えていただければ・・・)
//replace
おなじみ、ブロックを置換するコマンドです。省略形として「//rep」等があります。FAWEでちょっと有用な追加があります。
■ 通常の置換 [共通]
//replace ブロック1 ブロック2
これはおなじみですね。ブロック1をブロック2に更新します。ブロック2のところは先程setで説明したパターンを指定可能です。
例:
//rep stone dirt,wood
→石ブロックを土ブロックと木ブロックとのランダム模様に置換します。
■ ダメージ値不変置換 [FAWE]
//replace ブロックID1 #id[ブロックID2]
指定したブロック1のダメージ値を変えずにブロック2に変換します。なので、階段を別の階段に置き換えるときとかに便利です。
例:
//replace woodernstair #id[cobblestair]
→木の階段をすべて丸石階段に変更します。
//cancel [FAWE]
WorldEditにないコマンドです。ちょうど今実行中のコマンドをキャンセルします。「あ!間違えて1000万ブロック指定しちゃった!」とか言うときでも安心ですね。ないと思うけど。
//fast [FAWE]
同様にWorldEditにないコマンドです。//undoができなくなる代わりに、より素早くコマンドが実行できるようになります。もう一度同じコマンドを実行すると、モードを終了します。