新駒奈日誌

Minecraftの建築に関する情報をよろずに書いていく。

【Minecraft】元ニコニコユーザによるMinecraft建築シーンの歴史(1/4)

ご注意

  • 本項目は読み物です。筆者の恣意的な視点が混ざっていますのでご注意ください。
  • 本項目は日本国内、かつJava Editionについて扱います。海外とかの情勢はおろか、Pocket Edition(現在の統合版)における歴史とかはあまり追っていません。そこら辺の歴史を知っている人は是非自分で書いてもらいたいくらいです。

概要と目的

日本国内のMinecraftの建築について、とくに「昔はこんな建築が盛んに行われていた」というもの主眼として紹介します。

こんなことをわざわざ書く目的としては、当時を知っている人は「懐かしいな~」とかと思ってもらえるでしょうし、特に知らない人には「過去にこんなことが流行っててこんな成功や失敗があった」ということを知ってほしいという気持ちで書いています。ちなみにChatGPTに聞いてみると一見正しそうな答えが帰ってきますが結構な嘘も含まれている模様。

筆者コマナズは、Minecraftの正式版バージョン1.2.5のときに購入した、意外と新参の者です。当時のニコニコ動画におけるMinecraftの流行りについてはある程度把握しているつもりですが、当然すべてを追えているわけではありません。そのため、「これがない、あれがない」という質問はあまり答えない方針です。

まえおき

Minecraftと建築は切っても切り離すことができません。まさに、Minecraftが誕生した瞬間から、Minecraftにおける建築の歴史が始まったと言えます。

Minecraftは正式版リリース日の2011/11/18(初期バージョンは2009/5/17) から数えても大変息の長いゲームです。しかも2023年現在も未だにアップデートを続けています。その間、動画・配信サイト、SNS等外部の環境は目まぐるしく変化していきました。そうなると、各時代において流行る建築とかが自然と出てきます。

概ね、Minecraftの建築が盛り上がり始めるのは2012年頃、およそニコニコ動画におけるMinecraft建築コミュの誕生と一致しています。その後、ニコニコ動画の没落とTwitterYoutubeの盛り上がりを経てなおMinecraftの建築シーンは続いています。

いくつかの時代にわけてこのシリーズを投稿していくつもりです。

  1. 黎明期 誕生~正式版初期 ~2012年 (classic~Ver.1.2)
    • 主に、Minecraft建築コミュ誕生以前の歴史
  2. ニコニコ動画の時代 2012年~2015年 (Ver.1.2~Ver.1.7)
    • Minecraft建築コミュが誕生したあたりの歴史。
    • メタテクスチャ全盛期あたりまで。
  3. ストリーミングとSNSの時代 2015年~2018年前半 (Ver.1.7~Ver.1.12)
  4. 統合版の時代 2018年後半~現在 (Ver.1.12~)
    • いわゆる現代。

1. 黎明期 誕生~正式版初期 (classic~Ver.1.2)

1-1. 正式版以前 誕生~2011年後半 (~Ver.1.0)

時代背景

この時代はまだMinecraftというものが正式版でなく、ブロックも少なかった時代です。Minecraft自体がまだ流行し始めたばかりで、建築を主眼とした動画もそこまで多くありません。ただ、初期(classic版)の時代から、羊毛ブロックを活用したドット絵を作ったり等の活動は散見されました。この頃から少しずつ、「すごいインディーズゲームがある」って形で広まっていったようです。

そんな中、2010年9月頃、ニコニコ動画にJ-monさんによって最初のゲーム実況動画が投稿されます。それを皮切りに、多数の実況動画が投稿されます。当時最も有名だったマイクラ実況動画といえばぬどんさんの「史上最大(中略)マインクラフト実況」シリーズがあります。おそらく最近マイクラ遊んでいる人に「前川ピュタ」とか言っても通じない可能性があるので私含めて注意したいところ。

ちなみにYoutubeはというと、この頃実はすでに存在しました。なんならHIKAKINさんは2006年からすでにYoutuberしています。ただし、ニコニコ動画はコメントを付けてみんなで見られる、という特徴を持っていたのに対してYoutubeはあくまで高画質な動画が上げられる場所、くらいの認識であまり日本では盛り上がっていませんでした。

マルチサーバにおけるプラグインサーバの歴史は割と古いです。Bukkitは2010年から開発が始まり、2012年には公認されるようになりました。WorldEditもこの2010~2011年頃に誕生していたりします。

また、統合版の前身となるPocket Editionの誕生は製品版ちょっと前の2011/10/7とのことです。思ったより古かった。

再現建築

国内海外問わず、誕生初期から再現建築は注目されました。題材もわかりやすく、「Minecraftでこんなことができる」という目安になったからでしょうか。また、当時はブロック数も少ない、お手本になるような建築・テクスチャの選択肢も少ない中で、まずは実物にある建築を真似るところからスタートしたようです。いくつか例を見てみましょう。

ジブリ作品でおなじみのラピュタ湯屋はこの頃からすでに再現のテーマになっています。

現在も多数のゲーム実況者を招くイベント「マイクラ肝試し」で有名なクーさんも「初めてのマインクラフト」シリーズから投稿しています。動画の中でガンダムホワイトベースを再現してたりしてました。

自宅紹介

この当時、おそらく大多数の方がサバイバルで建築をしていたことになります。なぜなら製品版になる前はclassicの一時期を除いてクリエイティブモードもスーパーフラットも存在しなかった時代です。多くは効率の良い豆腐建築やトラップタワーなど建てて喜ぶ中、当時のニコニコ動画の「Minecraft建築部」の動画を探してみると、クリエイティブな自宅の紹介等もいくつかあります。有名なものは以下の動画でしょうか。

1-2.正式版初期 2011年後半~2012年前半 (Ver.1.0~Ver.1.2)

時代背景

正式版が誕生し、いよいよMinecraftが多くの人々知られることとなります。ゲーム実況で言えば、そろそろ単純なサバイバルモードのゲーム実況では飽きられだしたころです。マルチプレイは古くから存在しますが、プレイヤーが増えて活発化するようになります。

通常のプレイに収まらずMODを導入してプレイする動画も散見されるようになります。ただ、まだ当時はMinecraft Forgeが定着しておらず、MODの導入の仕方は今みたいに「フォルダに入れるだけ」ではなく、もう少し複雑で敷居の高い行為でした。

SEUS(Sonic ether's unbelievable shaders)がニコニコに紹介されたのもこの頃です。当時は影MODと水面MODは別々だったり、いろいろ不便はありました。

クリエイティブモードやスーパーフラットはこの頃にできました。中世系テクスチャの走りである「Johnsmith」ができたりしてテクスチャも少しずつ作成者が増えた頃です。

再現プロジェクト

この頃の特徴は、年単位でかかるような多人数で制作する再現プロジェクトが誕生したことです。多くは残念ながら完結しませんでしたが、東京ディズニーランド再現プロジェクトはこの時代からはじまり、およそ2年半かけて完結したプロジェクトです。

こちらは完結はしていないですが、ヴェネツィア再現プロジェクトや京都再現プロジェクト等もありました。なんなら筆者も一時期ヴェネツィアの方に携わってたりしてました。完成までの年月はおよそ30年だったり100年を超えたり気の遠くなるような話ですが、マイクラ10年続いてること考えると案外気力とセーブデータが続けば実現できるかもしれない。

本格的な建築動画

この頃から、自宅紹介レベルにとどまらず、お城や城下町、大都市のような本格的な建築も少しずつ誕生していきます。

Minecraft建築コミュの創始者であるかでさんが動画を投稿したのもこの頃です。筆者はエーデルリーベの動画に影響を受けたりもしています。

現代の分野でも大都市レベルの建築が誕生しだします。おそらく現在も続く現代建築がお手本にしたであろう舞倉市もこのころから動画を投稿し始めます。


このあたりからすごい建築動画が多数のメンバによって投稿されるようになり、建築コミュニティも設立されますが、それはちょっと後の話。